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2026年3月12日

学術論文掲載のお知らせ

このたび、当クリニック院長が理事を務める「腸内フローラ移植臨床研究会」による研究論文が、国際学術誌 Frontiers in Pediatrics(Pediatric Neurology セクション)に掲載されました。

Frontiers in Pediatrics は、小児医療分野の研究を幅広く扱う査読付き国際学術誌であり、世界中の研究者・医療従事者に向けて最新の小児医学研究が発信されています。

本研究では、これまで腸との関連があまり意識されてこなかった疾患に対し、腸内細菌叢(腸内フローラ)の関与の可能性について検討が行われました。今回の研究対象は自閉症のお子さんであり、腸内環境と神経発達との関係について新たな知見を提示する内容となっています。

腸内細菌の世界はまだ解明されていない部分も多く、医学的にも今後の研究が期待される分野です。

当クリニックでは、日々の診療を大切にしながら、全国の有志の医師・研究者とともに腸内フローラ研究を継続し、医学の発展と患者さまの健康に貢献してまいります。

論文掲載ページ(英語):https://www.frontiersin.org/journals/pediatrics/articles/10.3389/fped.2026.1767346/full

本研究は、特定臨床研究(jRCT)という厳格な枠組みの中で実施され、ASD症状の有意な改善とその長期持続性が科学的に確認されたものです。

論文概要

大阪大学大学院・連合小児発達学研究科と(一財)腸内フローラ移植臨床研究会を中心とする研究グループは、抗生物質や腸管洗浄を使用しない新しい腸内細菌移植(Fecal Microbiota Transplantation:FMT)法を開発し、自閉スペクトラム症(ASD)児を対象とした臨床研究において、その安全性と有効性を確認しました。本研究成果は、国際学術誌 Frontiers in Pediatrics に掲載されました。 ASDは社会的コミュニケーションの困難や反復行動、感覚特性などを特徴とする神経発達症であり、近年有病率が増加しています。しかし、中核症状そのものに安定した効果を示す治療法は限られています。近年、腸内細菌叢と脳機能との関連(腸-脳相関)が注目され、FMTが新たな治療法として研究されていますが、従来法では抗生物質投与や腸管洗浄が必要であり、特に小児にとって負担が大きいという課題がありました。 本研究では、水素ナノバブル水を用いて調製した微量の腸内細菌液(SHIN-1)を投与する新規FMT法を開発しました。本手法は抗生物質や腸管洗浄を必要とせず、身体的負担を大きく軽減できる点が特徴です。5歳から12歳のASD児30名を対象とした前後比較試験の結果、ASDの重症度を評価するSRS-2スコアは平均約29%改善し、その効果は1年後も持続しました。特に重度と判定されていた症例の約7割が軽度または正常域へ移行しました。 さらに、消化器症状は約61%、感覚過敏などの感覚処理特性は約30%、不安・抑うつ症状は約50%改善しました。試験期間中、重篤な有害事象は認められませんでした。 本研究は、腸内細菌叢への介入が脳機能に広範な影響を与える可能性を臨床的に示したものであり、神経発達症に対する新しい治療戦略の道を開く成果です。今後は二重盲検試験などを通じてさらなる検証を進める予定です。

(一財)腸内フローラ移植臨床研究会 ホームページ(https://fmt-japan.org/post/15026

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